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ハチコとリオート
二人は二人が大嫌い
「俺は後悔してない」
そいつが呟いた言葉にあたしは思わず拳を握りしめた
この途方もない怒りが何処から湧き上がってくるのかなんてあたしは知らなかったけれど、
そんなことはどうでもいい、目の前のこの男を睨みつけてあたしは黙ったままだった
「ふざ、けんな、」
ギリっとなった歯の奥で、怒りではらわたが煮えくりかえりそうで、
後悔してない?フザケんのも大概にしろ、いますぐその悲哀ぶった泣きそうな顔を殴りつけて、
優しさだけでできたお前の心をえぐりだして、生意気なその口で一言もしゃべれないようにしてやる、
それぐらい、それぐらいあの子たちの痛みは、酷かったんだ、!!!
言葉にならない声が胸の奥で悲鳴を上げる
泣きだしたくても涙が出てこない、あたしを見下ろすこの男を今すぐ殺してしまえればあたしはそれでよかったハズなのに、
「ふざけんなよ……!!!」
頭が割れそうで、心が粉々になりそうで、胸が張り裂けそうで、全身が痛くて辛くて叫びたくても叫べなくて
「フザケんじゃねェよ!!!!!!!!」
掴みかかったその首に伸ばした手が、唇が、
あぁ、ふるえてる、情けねぇ、あたしにこの男は殺せないんだ
あの子たちがそうだったように、こいつは、
「…っ…なんで……」
なんで、なんで、なんで、たかが、こんな、スズメバチ一匹
かすれた言葉は音にならない
空気に溶けて沈黙を作る
あたしはただ震えながら、蜂散の首から力のはいらない指をどけることすらもできなくて
お前を一番愛してたのはあたしだったハズなのに
いつからあたしは自分を見失ったんだろう、
いつからあたしは、おまえのことを
ずるりと力の抜けたからだが蜂散の足元にへたり込んで、
情けないあたしはただ呆然と、さっきまで蜂散の首を絞めようとしていたその手を見つめた
いったいいつからこの手はこんなにも小さくなってたんだろう
こいつの手はいったいいつになったら、何もかもすくいあげれるわけじゃないことに気づくんだろう
あたしはこいつとおんなじだった
はじめからあたしは
あたしは何も言えずに、ただ情けない二人の重たすぎる沈黙に耳を塞いだ