めまいがしそうな程の甘ったるい香りに僕はすぐさま気がついた、
後ろを振り返れば声を上げる間もなくぼすりと彼の胸の中に閉じ込められて、
捕まえた、と胡散臭さMAXのにやにや笑顔が視界に飛び込んでくる
ますますチョコレートの香りが強くなって、僕は自分の腰にしっかり巻きついたフリッカの腕を引き剥がそうと掴んでみたけれど、
フリッカはいつものにやにや笑顔を止めようとしない、
それどころかぎゅっと僕を引き寄せて、額にキスまで落として見せるからさいあくだ、
ハチコもフリッカも、どうしてこういうセクハラばっかり大好きなんだかわからない、
どうせならかわいい女の子にすればいいのにと僕がただただため息をつくと、
頭の上の美味しそうな香りの彼はくつくつと笑ってから僕の髪に顔をうずめて呟いた、
「バレンタインデーにはチョコレートがもらえるって聞いたからよォ」
ねェフリッカ、僕は甘いもの得意じゃないんだよ、知ってた?
僕はぽかんとした顔のフリッカの腕を漸くするりと抜け出して、
それからフリッカの甘い香りが届かない距離まで急いで走って行って、
そこで、わざとふわりと微笑んで見せた
チョコレートから逃走
( 甘ったるくて溶けだしそうな、我らがチョコレートに祝福あれ! )
フリッカと鯉壱 鯉壱はいわゆる逆ハーなのでバレンタインデーにはチョコを貰えるものだと思い込んでいる