何かに託けて彼女が俺と会おうと必死になるのは
もちろん甘い愛の言葉をささやくためじゃあない
簡単にいえば、俺のことを殺すためだ
そう、たったそれだけの関係
「貴様だけは、俺が、ぶっ殺してやる、」
息も絶え絶えに口先だけはえらそうなことをほざいてみせて、
俺の愛しい彼女は皮肉にも殺意のこもった瞳でもって俺を見上げた
「なぁ、エマ、お前もっと他に俺に言うこと無いの」
肩をすくめてわざとらしいため息を落とせば、
思った通り、彼女は歯が軋むほど思い切り顔を歪めて見せる
俺はこの子に相当嫌われてるなぁなんて、そんなことははじめから判っちゃいたけれど。
「嫌われるのは慣れっこさ」
だから、せめて自分の気持ちに判ってないフリさせてくれたっていいだろう、なぁエマ
俺を殺したい君の為に、命を差し出すのはこれっぽっちも惜しくはないけれど
お前が俺を見てくれないのなら、それってなんだか不公平じゃねェか?
俺は俺なりにお前を一生懸命愛そうとしてみたってのに、でもやっぱりそれはお前に伝わりはしねェんだから
あぁ、全く嫌になる
漸くよろよろと立ちあがったエマに、俺はただちょこんとほほえんだ
メソッドポエマーの深層心理
すき きらい すき きらい あああ ああ