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猫にも思春期はあるらしい。
そう思うのは、最近デュークフリードがおしゃれしたがるからだ。
俺の狭いアパートに突然転がり込んだこの猫(たぶん)は、ついにぶかぶかの俺の服を着続けるのが嫌になったようだ。
とはいっても俺に金などもちろんないし、女子の服など持っているはずもない。
仕方ないから、ダメもとで相談したはすみにそれぐらいとっとと相談しろよ!と背中にバシンと思い切り平手打ちを食らって、
その代わりに手に入れたのははすみの洋服、もちろん借りるだけ、デュークフリードが何とか猫に戻る間だけ。
デュークフリードははすみの洋服をめちゃくちゃ気に入った。
鏡の前で一人ファッションショーまでした。
俺は猫が人の服を着ている事実をフクザツな気持ちで眺めていたけれど、彼女の嬉しそうな笑顔はなんだか心地よかった。
『にあう?』
デュークフリードのへたくそな平仮名の羅列が俺の前に突きつけられて、
彼女はにこっと屈託のない笑顔で俺を見上げる。
「あぁ、似合うよ。とっても」
頭をくしゃくしゃに撫でてやれば、彼女はにゃーおと嬉しそうに鳴いて見せた。
まるで子供でもできたみたいだ。
俺は眼を細めて鏡の前でくるくる回るデュークフリードをただ黙って見つめていた。
かわいい?って聞かない猫 かわいいって言えない飼い主